ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、日本整形外科学会により提唱されている新しい概念で「運動器症候群」という意味を持ち、加齢により、骨・関節・筋肉などの運動器の働きが衰え、立ち上がる、歩くといった日常動作が困難になり、要介護状態になったり、要介護状態になる危険性の高い状態を指します。
下記のチェックポイントの中で、一つでも当てはまるものがあれば、ロコモティブシンドロームになる心配があります。
- 1. 家の中で、躓いたり滑ったりする。
- 2. 片足立ちで靴下がはけない。
- 3. 階段を上がるのに手すりが必要である。
- 4. 横断歩道を青信号で渡りきれない。
- 5. 15分くらい続けて歩けない。
ロコモティブシンドロームの原因には様々なものがありますが、まず多いのは、膝の関節にある軟骨が加齢とともに弾力を失い、擦り減って変形してしまい、動作時に痛みが生じる「変形性膝関節症」です。
その他にも、関節炎などの関節障害、骨がもろくなる骨粗鬆症、脊柱管狭窄による神経障害など様々なものがありますので、上記のチェックポイントに当てはまるものがあったり、気になる症状がございましたら、まずは相談にお越しになることをお勧め致します。
まず、ロコモティブシンドロームの予防には、ロコモーショントレーニングというものがあり、昨今、テレビや雑誌の健康特集などで目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ロコモーショントレーニングは、スクワットや片足立ちといった、とても簡単な運動です。しかし、自重(自分の体重)がかかるため、関節や筋肉に与える負荷も意外に大きくなります。
そして、ロコモティブシンドロームには色々なレベル(重症度)があり、その原因となっている病気も様々ですので、急なトレーニングにより、症状を悪化させる恐れもあります。
現在、痛みのある方や、ロコモティブシンドロームではないかと思われている方は、まずは相談にお越し頂き、原因となる疾患を特定し、それに合わせたトレーニングと治療方法を選択することが重要です。
ロコモ25は、厚生労働科学研究費補助金、長寿科学総合研究事業「運動器機能不全の早期発見ツールの開発」により策定されたロコモティブシンドロームの診断ツールです。
各質問について、回答の左端から0点、1点、2点、3点、4点として計算し、合計点数により、0点(障害なし)~100点(最重症)として診断します。尚、合計点数が16点以上の場合は、ロコモティブシンドロームと判定されます。
また、ロコモ5はその簡易版で、合計点数が0点(障害なし)~20点(最重症)として診断します。 尚、合計点数が6点以上の場合は、ロコモティブシンドロームと判定されます。
- ロコモーショントレーニングについて
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ロコモティブシンドロームには、いろいろなレベルがあり、ロコモーショントレーニングのやり方も違います。ご自身にあった安全な方法で、まず開眼片脚立ちとスクワットを始めましょう。